ORGのはじまりと想い
story
1.気づき
ORG代表の木村純也は京都で農業資材販売店を経営し,全国の生産現場を出入りするなかで,秀品率が上がらない,病気になりやすいなど,さまざまな課題に取り組む生産者様と出会ってきました。
何か自分にできることはないか。現場を調査していくと,生産量と秀品率のバランスが良くない現場では,作物のための肥料が土壌を痛めている状況が多く見られました。その結果,病気になりやすく環境の変化に弱い作物が育っていたのです。
この課題に対し,これまで支えてきた資材などのハード面だけではなく,土地の特性,作物と土壌の関係,正しい肥料の使い方といった農業のソフト面=知識や技術の充実が必要だと強く感じるようになります。そして土壌の重要性を知った木村は,「持続価農な農環境」の構想に取りかかります。
2.養蜂との出会い
受粉用のミツバチを養蜂場の方から仕入れたとき,高齢の養蜂家の引退や後継者不足,農薬によるミツバチの生息域の減少などが原因で,ミツバチの数が減っていることが話題になりました。秀品率や生産量だけを求める農業では,作物の受粉を助けてくれるミツバチの減少は止まらない。そう考えた木村は自ら養蜂をはじめ,実践のなかで持続価農に向けたテストを始めます。
3.ORGの想い
その土地にあった肥料で土壌を改良すれば,植物が元気に育つ。農薬の使用量が減り,ミツバチが健康に育つ環境ができ,ハチミツは人を健康にしてくれる。木村はテストを経て,農業と人を自然のサイクルに組み込んだ“しくみ”…「良い土は,良い作物を育て,良い自然を保つ」という方程式に辿りつきます。
言い換えれば「良質な土壌は,農薬や肥料を減らし(=コストダウン),秀品率・生産量を上げ(=収益アップ),自然を守ることができる(=環境保全)」という,人と自然と農業が交わって循環するしくみです。
ORGの考えたしくみは,決してすべての課題を解決する「答え」ではありません。資材や肥料の価格高騰,自然災害の増加など,自分の力だけではどうしようもない「時代」が作りだす課題もあります。そんな時代を乗り越えていけるように,生産者様と一緒に持続価農な環境をデザインし拡げていくことがORGの使命です。
デザインには,現状を少しでも望ましいものに変えること,という意味があります。その“少しづつ”の先にORGの目指す「ともに豊かに暮らす未来」があると信じています。
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