philosophy
近年,どの分野でもテクノロジーの革新が起こっていますが,農業の分野も例外ではありません。さまざまな技術の進歩で、従来の生産方法に比べ,効率よく高品質な作物が採れる時代になってきました。ただ,テクノロジーの発達だけで,安全・安心な作物が採れるわけではありません。
テクノロジーはツールであり,それを活かすのは「人」で,影響を受けるのは「自然」です。ORGがデザインする農環境とは、農業と人と自然が密接に関わり作られるフィールドです。安全・安心な作物が育つ,豊かな自然を維持していくために重要なことは,人と自然と農業のそれぞれが交わり,関係性を循環(連続)させていく農環境の実現だと考えています。
3つの軸が交わりながら1つになっていく三つ編みのように、そこで生まれた様々な接点が、やがて「人々が自然と共に豊かに暮らす社会」へと繋がる道を創ると信じています。
project 1
これまでの農業の「枠」を取り払い,他分野との交流,研究機関との連携など,多角的な視点を持った農業のあり方を目指したプロジェクトです。“現場”を第一にした生産技術,その土地や生産者様にあわせた施肥設計など,京都農販との関係を活かした豊富な知見とフットワークを武器に,日本全国,またアジア圏への農業コンサルティングをおこなっています。
また,これまでのコンサルティングにはなかった,深い知識と実地訓練による「人材育成」を計画しています。季候の変動や,台風などの自然災害に,迅速な対応に備えることが目的です。生産者様からの情報と,実際の状況に乖離があった場合は,正確なアドバイスができない上に,その後の収穫率に影響を及ぼします。そういった問題を解消するために,生産技術のスペシャリストの育成もコンサルティングの要として活動していきます。
project 2
養蜂は人と自然と農業のそれぞれに働きかける要素が強く,ORGの理念を体現する重要なプロジェクトです。
古来よりミツバチは,農業にとって重要なパートナーとして重宝されてきました。私たちの食卓に並ぶ世界中の作物の多くが,ミツバチの訪花によって受粉し実をつけます。多くの食材を輸入に頼る日本は,その恩恵を多分に享受している国のひとつです。
栄養価の高い蜂蜜は「京都産蜂蜜」として,地産地消を目的とした京都市内のホテルへの供給,オリジナルブランドでの販売をおこない,ORGの理念を広めるPRにも役立てています。
また,ORGでは自然環境保護の一環として,蜜源となる植物を育てるために耕作放棄地の再利用・土壌改良もおこなっています。
performance
京都農販での実績
relationship
京都大学微生物研究者 東樹宏和氏(京都大学准教授)が創業した「サンリット・シードリングス」との共同研究が進行しています。主にORGの有する国内外の幅広い土壌の知見と,サンリット・シードリングスの持つ「生態学×菌類学×ネットワーク化学など複数の科学領域を融合した技術」による農業の課題解決が目的です。プロによる科学的な見地から,自然環境の複雑なシステムを解明し,人と自然と農業が循環する持続可能な農環境の構築を目指しています。
global strategy
日本と世界の農業の一番の違いはその「規模」です。その広大な耕作地や土壌に合わせた肥料や農薬は,使用できる種類も日本とは大きく異なります。また,国ごとの法律や制度によって,耕作地での試験や調査できる内容にも違いがあります。
ORGはその違いを生産技術向上の研究をおこなうための「利点」ととらえ,サンリット・シードリングの監修のもと,アメリカ・中国・モンゴルで農業法人の設立を計画しています,よりグローバルな環境で研究することで,生産技術への深化を進め,最終的には日本の土壌に合わせた技術への転用を目指しています。
message
ORGの目指す「人々が自然と共に豊かに暮らす社会」とは,未来に暮らす次の世代のためのヴィジョンです。自然環境の破壊による危機が叫ばれるようになって,すでに何十年も経っていますが,改善への道筋は未だに明確ではなく,課題は山積したままです。地球のスケールで物事を考えると,今を生きる私たちにできることは,ほんのわずかでしかないことも事実です。しかし「人々が自然と共に豊かに暮らす社会」の実現には,「今」が一番大事だと私は考えています。ORGの活動は,その「今」を始める小さな一歩です。人の思い,自然の力,農業への情熱を紡ぎながら,その歩みを未来へと進めていきます。
株式会社 ORG 代表 木村 純也
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